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月別アーカイブ: 2025年11月

第16回訪問看護雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社徳吉、更新担当の中西です。

 

~「訪問看護師の1日ってどんな感じ?🚗🌈~

 

よく友人や元同僚からこんな質問をされます。

「訪問看護って、1日どんなふうに動いてるの?」
「危ない場面とか怖くない?」
「大変そうだけど、どんなところにやりがいがある?」

そこで今回は、
**訪問看護師の“とある1日”**を少しのぞき見してもらいながら、
この仕事のリアルと魅力をお伝えしてみたいと思います🌸


1. 朝一番に“今日の利用者さんたちの顔”を思い浮かべる☀️

◆ 8:30 出勤&ミーティング

ステーションに着いたら、まずは全体朝礼。

  • 今日の訪問件数

  • 新規利用者さんの情報共有

  • 夜間オンコールで起きた出来事の報告

  • 感染症・天候などの注意事項

などを、看護師・リハビリスタッフ・事務さんで共有します📝

タブレットや訪問スケジュール表を見ながら、
「今日はAさんの採血があるなぁ」「Bさんは昨日少し熱が出ていたから要チェック」と、
一人ひとりの顔を思い浮かべていきます。

病院では“ベッド番号”で考えていた患者さんが、
訪問看護では“○○さんの家の玄関・リビング・ベッド”とセットで浮かんでくる。

そんな感覚の違いが、私はけっこう好きです😊


2. 午前中:一軒一軒の“日常”の中にお邪魔します🏠

◆ 9:00 1件目:「おはようございます」から始まる一日

1件目は、一人暮らしのご高齢の女性・Mさんのお宅へ。
いつものようにインターホンを押すと、

「はぁい、どうぞ〜」

と、いつもの声が聞こえてホッとします😊

  • 血圧・体温・酸素飽和度を測定

  • 内服薬の残りを確認&一週間分をセット

  • 足のむくみや皮膚の状態をチェック

  • 最近の食欲や睡眠の様子を聞き取り

身体の状態を確認しながら、
「この前のお孫さんの運動会、どうでした?」
「最近、夜はちゃんと眠れていますか?」

と、暮らしの話もたっぷりと。

看護と雑談は、別物のようでいて、実は一体です。

雑談の中には、

  • さみしさ

  • 不安

  • ちょっとした体調の変化

が、ふとした一言に隠れていることも多いからです👂


◆ 10:30 2件目:在宅酸素を利用しているご利用者さんへ

次に伺うのは、在宅酸素療法をしているKさん。

  • 呼吸状態のチェック(息切れ・咳・痰の状態)

  • 酸素流量や機械の確認

  • 吸入や痰の吸引

  • 体位変換や軽いリハビリ

をしながら、
「最近、階段の上り下りどうですか?」
「お風呂はどのタイミングで入れてますか?」

と、日常生活の様子も細かく聞いていきます。

Kさんは、以前「もう外には出られない」と落ち込んでいた時期がありました。
でも、主治医・リハビリ・訪問看護で相談しながら、
今では酸素をつけて近所の公園まで散歩できる日も増えてきました🌳

「〇〇さんのおかげで、少し自信が出てきました」

そう言ってもらえたとき、
この仕事をしていて本当によかったなぁと思います。


3. お昼休憩:他のスタッフと“相談できる時間”も大事🍱

ステーションに戻って、簡単にお昼ごはん。

  • 午前中に気になった点

  • ご家族からの相談内容

  • ケアマネジャーさんへの連絡事項

などを、同僚と共有します。

訪問看護は一人で家に伺う分、
“孤独な仕事”に見えることもありますが、実際はチームプレー。

  • 背景に主治医

  • ケアマネジャー

  • リハビリスタッフ

  • 訪問介護

  • 薬局

など、多職種で情報をつなぎ合っています🤝

「このケース、どう対応するのがベストかな?」と、
同僚に相談できる環境は、とても心強いです✨


4. 午後:ご家族の“本音”が出てくる時間帯🕒

◆ 13:30 3件目:寝たきりのご利用者さん&ご家族のケア

午後最初の訪問は、
寝たきりの高齢男性・Sさんと、その奥様のお宅へ。

  • 全身の清拭や体位変換

  • お肌の状態チェック(床ずれ予防)

  • 経管栄養や胃ろうの管理

  • 関節が固くならないように優しくストレッチ

などのケアをしながら、
付き添っている奥様の表情も見逃しません👀

ケアが一段落したあと、
お茶を出してくださった奥様が、ふとこんなことをこぼされました。

「夜中に何度も起きるので、正直、私も限界に近くて…」

その一言には、
これまで溜め込んできた疲れや不安がにじんでいました。

私は奥様の話を最後まで聞いたうえで、

  • 夜間対応の仕組み

  • ショートステイの利用

  • 介護保険サービスの追加利用

など、いくつかの選択肢を一緒に整理していきました。

訪問看護師は、
**“患者さんだけを見る看護師”ではなく、“家族も一緒に支える看護師”**です。

「ご家族が倒れてしまっては元も子もない」
そんな気持ちで、日々ご家族の表情にも目を向けています🌼


◆ 15:00 4件目:がんの終末期の方のお宅へ

この日の最後の訪問は、
がんの終末期で在宅療養をしているTさんのお宅。

  • 痛みの程度の確認

  • モルヒネなどのお薬の調整状況をチェック

  • 吐き気・倦怠感・不安の訴えに耳を傾ける

  • ベッド周りの環境調整(体勢・枕の高さ・クッションなど)

Tさんは、

「もう大きな治療はしない」
とご自身で決め、
「最期は家で、家族に囲まれて過ごしたい」と選ばれた方です。

ときには、

  • 将来への不安

  • 「なぜ自分が」という思い

  • 家族への感謝や心配

などを、ぽつりぽつりと話してくださることもあります。

訪問看護師として、
私にできるのは

“その時間を、できるだけ穏やかに、苦痛が少ないように”
支えることだけかもしれません。

でも、
ご家族から

「家で看取るのは無理だと思っていたけれど、皆さんのおかげで覚悟が持てました」

と後日言っていただけると、
この仕事の意味を深く感じます😌


5. ステーションに戻ってからが“頭の仕事”タイム🧠

◆ 17:00 記録・情報共有・明日の準備

一日の訪問が終わったら、
電子カルテや記録用紙に、その日の状態や対応内容を細かく入力していきます。

  • バイタルサイン

  • 症状の変化

  • ご家族からの相談内容

  • 他職種への連携事項

などを整理しておくことで、

  • 夜間オンコール担当者

  • 他の看護師

  • 主治医

などに情報をつなぐことができます📲

訪問中は“目と耳と身体を使う看護”、
ステーションに戻ってからは“頭を使う看護”。

どちらも大切な時間です✨


6. 訪問看護の大変さと、それでも続けたくなる理由💬

◆ 大変なところ…正直なところ

  • 一人でご自宅に伺う責任感(判断力が求められる)

  • 時には看取りの場面に立ち会うこともある

  • 天候が悪い日(大雨・猛暑・雪)も訪問は続く🚗💦

  • 利用者さん・ご家族の思いが強く、板挟みになることも

心身ともにタフさが求められる仕事であることは、間違いありません。


◆ それでも「訪問看護が好きだ」と思う瞬間✨

  • 体調が安定して、「この前より楽に過ごせています」と笑顔を見せてくれたとき

  • ご家族が、「もう一人じゃないと思えました」と言ってくださったとき

  • 看取りのあと、ご家族から「ここまで家で一緒に居られてよかった」と言われたとき

  • 子どもさんやお孫さんが、「おばあちゃん、前より元気になったね」と嬉しそうに話してくれたとき

訪問看護は、
**“誰かの人生の一場面に深く関わらせていただく仕事”**です。

その重みを感じるからこそ、
一つひとつの訪問に、自然と丁寧になっていきます。


7. 訪問看護を「もっと身近な選択肢」にしたい🌈

  • 病院から退院するとき

  • 介護が大変になってきたとき

  • 在宅療養や家での看取りを考え始めたとき

そんなときに、

「訪問看護という手があるよね」
と自然に思い出してもらえる社会になってほしいな、と思っています。

訪問看護師は、
“特別な人にだけ関わる存在”ではありません。

  • 不安なときに、そっと寄り添う人

  • 家での暮らしを医療面から支える人

  • 介護を頑張るご家族を支える、もう一人の味方

そういう存在でありたいと、心から思っています😊


8. まとめ:家で生きる選択を、あきらめなくていいように🏠💗

  • 訪問看護師の一日は、“人の暮らしの中”を回りながら過ぎていく

  • 病気だけでなく、生活・家族・心すべてに関わるケア

  • 大変な場面もあるけれど、「ここで良かった」と言っていただける瞬間が何よりのやりがい

  • 訪問看護は、“家で生きる”を支える大切なインフラ

もし身近な人のことで
「これからどうしよう…」と不安になったときは、
どうか一人で抱え込まずに、
訪問看護ステーションやケアマネジャーさんに相談してみてください📞

あなたと、あなたの大切な人が、
“自分らしく生きる場所”を選べるように。

訪問看護は、今日もそれぞれのご自宅で、
そっと寄り添うケアを続けています🚗🌸

 


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第15回訪問看護雑学講座

皆さんこんにちは!
合同会社徳吉、更新担当の中西です。

 

~“病院ではなく家で過ごしたい”~

 

みなさんは「訪問看護」と聞いて、どんなイメージがありますか?

  • すごく重い病気の人だけが利用するサービス?

  • 高齢者だけのもの?

  • なんとなく“最後の手段”っぽくて、少し怖い…

そんなふうに思われることも少なくありません。

でも実は、訪問看護は

“病院ではなく、できるだけ家で自分らしく暮らしたい”
という願いを支える、とても心強い存在なんです✨

このブログでは、
訪問看護の役割や、実際にどんなことをしているのか、
そして「こんな人にこそ知ってほしい」というポイントを、
なるべくやさしくお話していきます


1. 訪問看護は「病気を診る」だけじゃなく「生活まるごと」を支える

病院の看護師さんは、主に“入院中の医療”を支えます。
一方、私たち訪問看護師は、
**「その人の暮らしの中に入っていく看護」**をしています。

家に伺うと、まず目に入るのは、病気ではなくその人の“生活風景”。

  • どんな椅子に座っているのか

  • ベッドの高さは合っているか

  • トイレやお風呂に行く動線はどうか

  • 一緒に暮らしている家族の表情はどうか

こうした“生活のディテール”を一つひとつ見ながら、

この人が「少しでも楽に」「少しでも安心して」
家で過ごせるようにできることはなんだろう?

と考えていきます

訪問看護は、
「病気」ではなく「人」を見る仕事です。


2. 訪問看護で実際にしていることって?

「来てくれるのはありがたいけど、具体的には何をしてくれるの?」
そんな疑問もありますよね。

訪問看護で行っていることは、本当に幅広いです

◆ 医療的なケア

  • 血圧・体温・脈拍・呼吸状態などのチェック

  • 点滴・注射・内服薬の管理

  • 傷や床ずれの処置

  • 人工呼吸器・在宅酸素・ストマ・胃ろうなどの管理

  • 痛みや苦しさへの緩和ケア

◆ 日常生活のサポート

  • 入浴や清拭(体拭き)のお手伝い

  • 着替えや整容(髭剃り・髪のケア)

  • 食事の様子を見ながら、むせ込みや嚥下状態をチェック

  • 排泄のトラブル(便秘・失禁など)の相談

◆ ご家族へのサポート

  • 介護の仕方のアドバイス(体の起こし方、移動の手伝いなど)

  • 夜間や急変が心配なときの相談先の説明

  • 介護者の不安や疲れを聞く“心のケア”

◆ その人らしさを支えるケア

  • 「お孫さんに会いたい」「最期まで家で過ごしたい」などの希望を聞く

  • 趣味を続けるための工夫(編み物・ガーデニング・テレビの位置調整など)

  • 行事や記念日に向けた体調調整(誕生日・法事・家族イベントなど)

…こうして並べてみると、
“看護+介護+家族支援+生活コーディネート”
という感じかもしれません


3. 訪問看護を利用するのはどんな人?‍

「うちの家族も対象になるのかな?」と気になる方へ、
よくあるケースをご紹介します。

高齢になって、通院や入浴が大変になってきた方

  • 足腰が弱くなって転倒が心配

  • 認知症の症状が出てきて、薬の飲み忘れが増えた

  • デイサービスは利用しているけれど、医療的なフォローもほしい

退院したばかりで、家での生活に不安がある方

  • 大きな手術後で、体力もまだ戻っていない

  • 心不全・COPD・がんなど、再発や急変が心配

  • 病院では医師や看護師がそばにいたのに、家に戻ると心細い

‍ 障がいや難病とともに暮らしている方

  • 自分で通院するのが難しい

  • 24時間の医療的ケアが必要

  • 家族だけでの介護に限界を感じている

最期まで自宅で過ごしたいと考えている方

  • 末期がんなどで「もう大きな治療はしない」と決めた

  • 痛みや苦しさをできるだけ和らげながら、家族と一緒に過ごしたい

  • 「病院ではなく、住み慣れた場所で最期を迎えたい」という希望がある

実は、訪問看護は
**「年齢も病名も幅広く利用できるサービス」**なんです


4. 訪問看護の“いちばんの価値”は「安心感」を届けること

訪問看護を利用されているご家族から、こんな言葉をよくいただきます。

「何かあったら電話できる先があるだけで、夜の不安が全然違います」
「“この状態なら様子を見て大丈夫ですよ”と言ってもらえるだけでホッとします」
「自分の介護が間違っていないか確認してもらえて、心が軽くなりました」

病気や介護の不安の中で一番つらいのは、
**「これでいいのか分からないまま、頑張り続けること」**です。

  • この咳はいつもの咳?

  • この熱は様子見でいいの?

  • こんなに痛そうなのに、どうしたらいい?

  • 私の介護の仕方で、逆に負担をかけていない?

そんな“グルグルする不安”の中に、
訪問看護師がスッと入っていって、

「今の状態はこういう意味がありますよ」
「夜中にこういう症状が出たら、こうしましょう」
「ここまではご家族でも大丈夫ですが、ここからは私たちに任せてください」

と、一緒に整理していく。

この“安心の共有”こそ、訪問看護の真骨頂だと感じています


5. 「もう少し早く知っていれば…」と言われないために

訪問看護をしていて、少しさみしくなるのが、
ご利用が始まってからご家族に言われるこんな一言です。

「もっと早く相談すればよかった…」

  • 介護疲れがピークになってから

  • 何度も救急搬送を繰り返してから

  • 本人も家族も限界ギリギリになってから

こうして訪問看護に繋がるケースも少なくありません。

本当は、
「ちょっと不安になってきたな…」
という早いタイミングで相談していただくほうが、
できることも、選べる選択肢も増えます✨

「まだそこまで重症じゃないから…」
「訪問看護なんて、うちには早い気がして…」

そう思ったときこそ、
一度ケアマネジャーさんや主治医、訪問看護ステーションに
軽く相談してみてほしいなと思います


6. 訪問看護は“家族を責めない・一緒に悩む”パートナーでありたい

ご家族とお話していると、

  • 「仕事と介護の両立がうまくできていない気がする」

  • 「もっと優しくしたいのに、ついイライラしてしまう」

  • 「他の家族はもっとちゃんとやれているんじゃないか」

と、自分を責めてしまっている方が本当に多くいらっしゃいます。

でも、介護は
**「頑張りが目に見えにくい、とてつもなく大変な仕事」**です。

訪問看護師は、

  • 介護のプロであると同時に

  • ご家族の“応援団”でもありたいと思っています

「それ、ちゃんとできていますよ」
「ここまで一人でやってこられたの、本当にすごいことですよ」

とお伝えすることも、私たちの大切な役割です。

私たちは、
**“できていないところを指摘する人”ではなく、
“一緒にどうしたらいいか考える人”**でありたいと思っています


7. まとめ:「家で過ごしたい」をあきらめない社会へ✨

  • 訪問看護は、病気だけでなく“生活まるごと”を支える看護

  • 医療的なケアから、日常生活・ご家族の心のサポートまで幅広く対応

  • 高齢者・退院後の不安がある方・障がいのある方・最期を家で過ごしたい方など、多くの方が利用できる

  • 一番の価値は「安心感」と「一緒に考えるパートナー」であること

もし今、
あなたや大切な人が

「できれば、住み慣れた家で過ごしたい」

と願っているのなら、
訪問看護という選択肢があることを、
ぜひ心のどこかに留めておいてください

「もっと早く相談してよかった」
そう思っていただけるように、
私たちは今日も、ひとりひとりのご自宅にお伺いしています

 

 


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